◎2013・4月 定例句会  4月28日

真間の井を覗いて春を惜みけり      イカ

リラの花明けて紅茶とクロワッサン     シケ

洋上の朝風呂揺れる春の海      イア

揺れゆれる鯨探しや遼霞       イア

風を押し風に押さるる半仙戯      アヒ

嫁ぐ子に持たす臍の緒桐の花      チト

盛付ける小鉢をどれに木の芽和え      イマ

藤の昼鳩も出入りの煎豆屋      アノ

春色の靴が鳴るなり散歩道      イマ

バス停の一本桜取手宿(とってしゅく)   アノ

春深し柳橋より屋形船      アヒ

春深し別れ惜しみて分かれけり     チシ

 

 

※「て」を遣った句が多数ありました。

 

プランターの土入れ替えて穀雨かな

川風に暖簾の揺れて桜鯛

釣られ来し魚みな痩せて春深し

山吹の光集めて一重八重

杮落し待ちて女の春袷

花に逢ひ花に別れて春深し

わがままな風をいなして夏柳

小笠原島影ゆれて春深し

 

 

真間の井を覗き(原句・い)て春を惜みけり

春深し別れ惜しみて分かれけり

 

この句にも「て」が遣われています。違いを吟味してみましょう。

◎東京駅から… 2013・4月6日

・江戸歌舞伎発祥の地

・京橋、大根河岸

・警察博物館、竹川岸(たけがし)

・広重住居跡

・重要文化財の高島屋建物

 

         

街路樹の芽吹きたしかや丸の内      イカ
箒屋の屋号白木屋さくら散る
ギャラリーの隣ギャラリー暮の春
春陰の広重旧居跡とのみ
高島屋のアンモナイトに春惜しむ

         

春惜しむ歌川広重住居跡         チシ
風薫るギャラリー続く宝町
風光る東京駅前バスガイド
丸ビルの角に蒲公英咲いてをり
新緑や樹木に名札付いてをり

         

新緑やバスのガイドの研修生       オミ
新装の東京駅舎風薫る
春愁や震災写真見て居れり
箒屋に箒の香る四月かな
盛り塩に客来る画廊春の昼

         

松の芯駅中央の車寄せ          アヒ
春昼や畳まれてゐる屋台店
一茎のたんぽぽ八重洲一番地
箒屋に箒の匂ひ春闌くる
のどけしや壁に化石の百貨店

         
新緑や生まれ変りし丸の内        アノ
のどけしや白木屋という箒店
春の街古地図を辿り歩きけり
はとバスの桜狩りへと出で行けり
広重の住まいし跡や春の風

         
乙女らのバス研修や風光る        イケ
江戸歌舞伎発祥の地や八重桜
花冷えのひそりと広重住居跡
漆喰の格天井や春寒し
虚子の忌や箒処に母の顔

         
花冷の丸ビル新丸ビルディング      トンボ
春嵐むかし竹川岸となむ地なり
花蘇芳額寄せゐる会社員
花びらの一片昔は大根河岸
花冷の静かさなりき画廊街

東京駅ドーム天井
東京駅ドーム天井
東京駅正面外観
東京駅正面外観