◎10月 定例句会  2015・10・25

今月の入選句

寺町の賑わう中のハロウイーン      アノ

身に入むや矯正施設の高き門       シケ

水菓子や色取月の賑わいぞ        コフ

いくたびも目覚めし母の夜長かな     シケ

秋潮の島の学校授業中          オミ

秋寒や一両電車の始発駅         イケ

下を向き登る参道杜鵑草         ヤミ

寄せ植えの講習会や秋日和        イケ

黄落や玉子料理のテラス席        ヤミ

那須七湯鹿の湯に入る紅葉狩       ハセ

木洩れ日を集めて秋を頂きぬ       ナミ

参詣の帰りに買ひし落花生        チシ

季語を繰る春夏秋冬秋惜しむ       コフ

晩秋やロック流るる珈琲店        ハセ

晩秋の旅の仕度に一日暮れ        チシ


●再び、「や」と「の」の使い方


・晩秋や鑑真御廟暮れて来し


・晩秋の鑑真御廟暮れて来し


季語を理解していれば

どちらが好い句かこれほどはっきり分かる句はありません。






◎浅草・浅草寺吟行  2014・10・3

          

約束の雷門の秋日和           イカ

仲見世を異国の人ら秋の昼

からかねの観音勢至天高し

宝前の葉月の風の外香炉

扁額を施無畏と読みて秋深し

          

赤い羽根つけて浅草待ち合せ       オミ

多国籍の人の行き交う秋の街

メロンパン売る店増えし秋の昼

おみくじの筒を鳴らして秋日和

外香炉噎せてしまいて秋暑し

          

秋ひと日歩きてあきず浅草寺       ハセ

雷門横丁路地裏秋きざす

新涼の功徳の風と浅草寺

本籍地台東区なり祭好き

裏路に秋のベストの並ぶ店

          

仰ぎ見る五層の塔や秋の雲        アヒ

天高し寺苑より見る電波塔

秋寂ぶや淡島様に人まばら

爽籟や観音勢至拝し居り

釜飯を待つ間楽しむ豊の秋

          

菊日和仲見世裏の黙阿弥碑        アノ

群衆の一人としての秋の昼

菊供養間近に控え浅草寺

もつ鍋のぐつぐつぐつと秋深む

残る虫弁天堂の小暗がり

          

秋高し伝法院に人力車          チシ

五重塔水煙光る秋の空

菊日和花嫁乗せる人力車

菊日和写楽てふ名の店のあり

十月や仲間と囲む釜飯屋


          

一葉散る弁天山の水無池         ヤミ

秋の昼呼び込みの声しきりなり

行く秋の淡島堂へ手を合はす

かき美味し春といふ名の釜めしや

花嫁を幾人も見し秋惜しむ

       

十月の人の渦巻く浅草寺        トンボ

秋興や釜飯店へ急ぎゐる

秋の日の踊衣裳屋小道具店

秋高し馬券求める人笑ふ

昼の虫弁天山の扇塚