なになにの女院の墓所の冬桜
日短を打ちつぐものにキーボード
晩秋のたこ焼き店に並びゐる
短日の爪切る音の飛びにけり
久闊を叙するかおあり秋の暮
海底に都ありしと冬桜
石蕗は黄に黄泉平坂どの辺り
晩秋や赤子のこゑと吠える犬
晩秋や両国橋のあるばかり
古隅田川の末枯はじまれり
晩秋の模型飛行機滞空す
馬の尻つぎつぎ過る冬初め
やや寒しあななつかしきことなりき
冬に入るラーメン店の止り椅子
小春日のふはふはふはと草の絮
冬晴やひよいと畳の担がるる
行く道に曰く窓あり初時雨
ばつたんこばつたんことて日の暮るる
短日のぽん煎餅屋来し日あり
色鳥や逝きにしひとのことばかり
今よりも若き日のなし小鳥来る
今月も相変わらずまさに四苦八句。
北野たけしの発言に聞くべきものがあった。
・映画は、「間」で決まる。これはもう完全にそう。
映画監督の個性というのは、「間」に一番あらわれる。
・おいらはあまり映画の中で「説明」しない。
説明しちゃうと意味が限定されてしまう。
それが嫌なんだよ。
観ている人には、もっと想像してほしいからね。
・映画はとにかくあちこちに「間」が出てくる。
やっぱり、「間」の芸術なんだ。
いつも俳句で思っていることと同じ。
これを伝えようと思っているけれど…
自分でも、四苦八苦しているところ。