今月の四苦八句 2012・10月

なになにの女院の墓所の冬桜

日短を打ちつぐものにキーボード

晩秋のたこ焼き店に並びゐる

短日の爪切る音の飛びにけり

久闊を叙するかおあり秋の暮

海底に都ありしと冬桜

石蕗は黄に黄泉平坂どの辺り

晩秋や赤子のこゑと吠える犬

晩秋や両国橋のあるばかり

古隅田川の末枯はじまれり

晩秋の模型飛行機滞空す

馬の尻つぎつぎ過る冬初め

やや寒しあななつかしきことなりき

冬に入るラーメン店の止り椅子

小春日のふはふはふはと草の絮

冬晴やひよいと畳の担がるる

行く道に曰く窓あり初時雨

ばつたんこばつたんことて日の暮るる

短日のぽん煎餅屋来し日あり

色鳥や逝きにしひとのことばかり

今よりも若き日のなし小鳥来る

 

 

今月も相変わらずまさに四苦八句。

 

 

北野たけしの発言に聞くべきものがあった。

 

・映画は、「間」で決まる。これはもう完全にそう。
映画監督の個性というのは、「間」に一番あらわれる。


・おいらはあまり映画の中で「説明」しない。
説明しちゃうと意味が限定されてしまう。
それが嫌なんだよ。
観ている人には、もっと想像してほしいからね。


・映画はとにかくあちこちに「間」が出てくる。
やっぱり、「間」の芸術なんだ。

 

いつも俳句で思っていることと同じ。

これを伝えようと思っているけれど…

 

自分でも、四苦八苦しているところ。