◎トンボの四苦八句  2013.7

雑詠抄

 

炎昼や犬に曳るるままに人

旧東海道川崎砂子油照

揚花火消えても消えぬ白煙

次を待つ花火に口を開けてをり

大浪に砕けて散るも夏燕

向日葵や踏切いつになく開かず

たらたらと漆の木あり油照

炎天や自動で開くふとん店

緑蔭へ預けてをれるいのちかな

伝令の蟻来て蟻の列乱る

何事もなくて静かや蟻地獄

音のして無音の世界蟻地獄

震度4の地震の報ある大暑かな

遊ぶ子の声の聞こゆる大暑かな

片陰やむかしはありし魚店

風鈴の終着駅へ着きにけり

文机の上に置きある蚊遣豚

ひとの来て蚊遣の煙動き出す

玉砂利の音を踏みゐる大暑かな

夾竹桃の角を曲りてのうぜんか

蟬の声彼方に一条戻り橋

夏安居の僧衣はたはた行きにけり

勲章と嘗ては云ひし玉の汗

暑気中り参議院選挙投票す

◎なにがなんでも四苦八句 2013・7

 

 

四苦八苦。

 

どんな気持ちで俳句とつきあっているの?

その句にはどん気持ちが込められているの?

 

語ることで、聞くことで、

 

句あれば楽あり。そんな俳句を、ともに。