◎トンボの四苦八句

当月の雑詠抄

 

ならぬものはならぬ残暑のつづきをり

ひぐらしやテールランプの現れて消ゆ

ひぐらしの森の日暮れのはじまれり

ひとの来てぐらりと曲る蚊遣香

香りくる胡瓜もみなり涼新た

青竹を剪りてそば猪口法師蟬

手放せぬ扇なりけり式部の実

秋初めはじかみ漬の歯応へも

ひとすぢの風に秋意の音の立つ

栗鼠わたる下枝に秋の日の射せる

紺色のさえざえと紺秋の風

桐一葉落ちて齢の加はれり

風の立つ萩女郎花筒井筒

雀二羽来てゐて秋の立ちにけり

端渓の硯手放す秋なりし

摑まえし飛蝗冷たく柔らかき

釣竿を担げる秋の雲の行く

銀漢と町の灯の見ゆ草枕

寝ころべば馬追虫の来てをれり

踊り手の揃はぬけれど盆踊

ひぐらしとつくつく法師鳴き交る

白桃や触れてはならぬものありし

一歩づつ一歩づつつくつくほうしかな

八つ墓村などの噂も秋出水

太白の奥へと銀漢整へり

露草の縹の色の露を生む

砂の塔波に曳かるる秋のくる

天高し鐘楼堂の袴腰

かなしみの色を思へば紅芙蓉

遠くからラジオの音す秋のくる

まだ秋となりて間もなき鰡跳ねる

◎何が何でも四苦八句

 

紙に書いて(このページで)好しとしていましたが、それでは駄目で、逆に意図に反した受け取り方をされているようにも思えます。

それで四苦八苦しているのでしょうか?

 

俳句は、鑑賞が出来なければ、作句も?。本当に俳句を読めていますか?

 

その辺の手がかりがありません。

 

作句意図などを聞きながらヒントになること、伝えられれば好いのだと思っています。

 

ところでトンボの四苦八句、この中から5句だけ定例句会へ出し、会報へはあと5句、合計10句が発表されています。

 

なんと云っても多作多捨。