◎2013・9月 トンボの四苦八句

雑詠抄

 

練塀や夕焼け小焼け添水鳴る

夕烏八百屋の柿の熟しゐる

台風の前のしづけさ太鼓鳴る

柚子の実や夕さりきたる山麓

一点の明りなりけり鹿の鳴く

秋祭抜け出て次の祭中

雲上下行き交ひにけり秋祭

飲食の音にも秋の進みゐる

草野球フライの先の秋の川

水の秋声こそ元気草野球

曼珠沙華大和国原黄金色

秋彼岸行き交ふ人に会釈して

肌寒き何やら由々しきことならむ

約稿を早早渡すそぞろ寒

役立たぬものを覚える夜長かな

色鳥や西も東も我が故郷

こぼれ落つものに小鳥とわが記憶

小鳥来て是(こ)はにぎやかになりにけり

採血の針の痛さも秋の暮

たそがれるものにかまつか日暮けり

飾りたき曼珠沙華あり石舞台

身を細め都電の来るよ秋高し

栗の毬旗亭の床の間に五つ

月餅の香りも月の夜なりけり

確かなる馬の三匹天高し

馬の顔伸びて縮める赤蜻蛉

杭にゐる川鵜一羽の秋の暮

橘の実のすずなりや手紙来る

月読(つくよみ)の光射し来る吾亦紅

晩鐘はあれはあの寺鉦叩

竜胆の丈に風吹く山男

グラスから水盛り上る秋日和

地境の揉め事残し水澄める

飯桐やレンガ造りの醸造所

 

以上、この中から十句発表

 

鈴虫や阿弥陀坐りの骨董屋

 

 

◎2013・9月 何が何でも四苦八句

 

何が何でも、四苦八苦をつづけてください

 

志をもって四合目からの出発を…と云う人には、きっとその願いが叶うでしょう

 

どんな句でも句会に持ち寄れば、参加可能

 

是が俳句会のいい所

 

どの道を選ぼうか ?

 

どちらもいい道!